
節は通じる。苦節正しくすべからず。
一言で言うと
狐にとっての兎は「自己犠牲をしているようにしか見えない困った奴」です。
全般
狐と兎は下爻のみが異なる、非常によく似たトーテムです。
それゆえに狐は兎から受ける影響がかなり大きいのですが、そのほとんどは悪い方向です。
狐は利他的な使命にかられた変革者ですが、兎は自己犠牲的な安定を望むので、狐がいくら本当の望みを聞こうとしても「これでいいんです」くらいしか言わず、正論が通じません。
頑張って説得をしようにも狐の正しい話は聞き入れられず、同時に「こうすればいいじゃないか」という(狐にとっては)簡単な解決方法も「そんな難しいことできない」という弱々しい反応で無下にされてしまいます。
これは兎は例外なく「善い子」であり、逸脱することが無条件で罪悪であると感じているためです。この六十四卦「節」では珍しい「貞凶(ただしくして凶)」という言葉が見えますから、無為なことにはあまりいつまでも力を注がないことが大事です。
交友
狐は兎との交友をあまりしない方が良いでしょう。
というのも、狐は兎の群れの中にいると「自分が何を信じていたのか分からなくなる」という性質があるためです。
「きつねのおきゃくさま」という絵本がありますが、そこでは小さくてふわふわした兎たちに囲まれて狐が調子を狂わせ、なぜか最後には自分が犠牲になって犬に食われてしまうという情けないエピソードが語られます。
あなたが厳しくドライな考えと態度でいるのにはきちんと理由があるのですから、兎にもふもふされたくらいで狂っているようではダメです。まあとはいえ、狐は兎に弱いので、交友関係で付き合わないといけないとしたら最大限の警戒をもって挑みましょう。
とにかく気をつけてくださいね。
恋愛
狐は兎と恋愛をしてはいけません。
兎と恋愛関係に至った狐は例外なく兎に逆戻りします。あなたは兎と一緒にこの世界の呪いを引き受けて犠牲となり、理不尽な物語の結末で哀悼の祈りを捧げられる存在となるのです。そんなの嫌ですよね?
仕事
仕事でも狐は兎と関わりを持つべきではありません。
兎は狐の仕事の意味を理解することはなく、穏やかで平和な行動理念によってむしろそれを解体します。「おっとりさんとせっかちさん」のように「そんなにせかせかしても何の意味もないよ」と笑われるのがオチです。
もしも兎を利用するのであれば、しっかりと距離を取った上で、良心を押し殺して「最も理不尽な仕事」を任せるべきです。もちろん意図的に発生させたものを兎に割り振るのはただの意地悪ですが、不可避的に発生してしまった理不尽な負担はむしろ兎が喜んで担う部分ですから、あなたが気を回してそれをどうにかしてあげる必要はありません。
闘争
狐は兎との戦いで勝つことはありません。あなたの牙は柔く折れ、爪はこぼれおちてしまい、いつの間にか兎と同じ姿になっていることでしょう。
兎は非常に柔軟で不安定な存在ですから、自分でもどうにかできるかもしれないと思うかもしれませんが、兎が抱え込んでいる呪いは狐の正しい言葉のひとつふたつ、いや言葉をいくらかけても解除されることはありません。
どうしても兎とかかずりあうことになったら、必ず蛇に頼りましょう。蛇は兎の呪いを無効化し、勝手にその姿を変えてしまう魔術を駆使する「兎の天敵」です。
フワフワした奴は狂った毒蛇に任せて、あなたは安全なところで見ていましょう。面白い展開が見られるはずです。
叡智
狐が兎に対して大事なことは「同情しないこと」です。
狐が兎に対して同情したところで、してあげられることは「代わりに死んであげること」くらいです。あなたが死んだらあなたの仕事はどうなりますか? 周りのことをようく考えて、自分から兎の群れには突っ込まないことです。
どうしても兎の群れの中に入るなら、蛇を必ず伴いましょう。もしかしたら、そこらじゅうの兎が全員反転して、狐になってくれるかもしれませんからね。