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猿トーテムは、犬トーテムと並んで、比較的新しい年代に生まれたトーテムです。
インド、東南アジア、東アジアの南部に猿にまつわる神話が集中しており、北欧・ユーラシア大陸の西側に犬の伝承が多く残っているのと対照的な位置関係になっています。
猿の伝承として最も有名なのは何と言っても西遊記です。猿がヒーローとして大活躍する様子は、現在でも漫画や映画に大きな影響を与え続けています。
そして西遊記に登場する猿、ご存知「斉天大聖・孫悟空」にはモデルとなっているとされる猿の怪異の伝承が存在します。
その名を「無支祁(むしき・ぶしき)」といい、水にまつわる怪異であったと伝えられています。
中華古代の始祖である「禹(う)」は天下の治水を行った王である。そのなかで、霊山に住まうという巨大な猿がこれを阻んだ。
猿は首を百尺も伸ばし、象の群れよりも強い力を持ち、俊敏に山中を駆けるため、禹の臣下たちはその討伐に手を焼いた。
この末、「庚辰」によって猿は大索(大きくて強い縄)と金の鈴をつけられ、亀山(きざん)に封じ込められたという。
この話が記載されていたという山海経は紀元前4世紀~紀元後3世紀に渡って成立していきましたが、この時点ではまだ猿の怪異は、ただの暴れん坊であるだけで、封じ込められたところで話が終わっています。
西遊記になると、この話の前後が大きく脚色され、一気に華やかな英雄譚の色彩を帯びていきます。
昔、大岩から生まれた石猿がいた。この石猿は仙人から法を授けられ、悟空という名を頂いた。
悟空は天界へ昇り、欲望の限りを尽くして暴れまわり、しまいに釈迦如来に地上へ落とされ、五行山の巨岩の下に封じ込められることになった。
五百年の時が過ぎ、西方・天竺へ経典を授かりに旅に出た三蔵法師が五行山を訪れ、封じられた悟空を見つける。三蔵は悟空を弟子とし、金の輪「緊箍児」を頭にはめさせて旅の供をさせた。
道中、沙悟浄、猪八戒と新たな仲間を加え、金閣・銀閣や羅刹女、牛魔王という敵と戦い、ついに天竺へ至って経典を授かって都・長安へ帰った。
ごくごく短くまとめるとこうですが、実際には哪吒太子との共闘や三蔵法師が何度もさらわれたり騙されて結婚させられそうになったり、実は牛魔王が孫悟空の義理のお兄さんだったり、帰り道に雲から落ちて大変な目に遭ったりと非常に豊かな展開がてんこもりのわくわくアドベンチャーとなっています。
また、孫悟空と性格の非常に良く似たトリックスターに「ハヌマーン」という猿の神話がインド~東南アジアに存在します。ハヌマーンの神話は西遊記における孫悟空と同じく天界で禁を犯して地に落とされ、後に情けをかけられて蘇り、様々な活躍をするという展開を持っています。
このように猿の物語には共通の枠組みが存在します。犬と同様、成立年代が遅いことからシナリオの成熟度は相応に高く、そのまま少年漫画などに援用されるケースが多く、また教訓譚などにもよく生かされています。
猿は成長を前提としたトーテムであり、そのプロセスで「修行」と「反省」を定期的に繰り返していきます。これを猿に課すのは師匠である牛であり、金の輪を締めたり巨岩に封じ込めたりして反省を促し、法を授けて苦難を与える役割を持っています。
一方、猿は陽気に酒を飲んではしゃぐ姿もよく描かれます。中国・日本では「庚申信仰」という独特の信仰があり、庚申の日には三尸虫という虫が体から出ていかないように宴会を開かなければいけないという風習が存在します。
信仰を象徴する庚申塔には、東照宮のレリーフでよく知られる「三猿」が描かれています。「見ざる聞かざる言わざる」という言葉通り、目・耳・口を覆った猿なのですが、古くには股間を抑えた「せざる」というのもいて「四猿」なんて言われていたそうです。
このように、猿にはまだまだ未熟ながら無限の可能性を秘めた成長中の身という性格があり、それゆえに戒めや反省を促し、健全な成長を願う物語で彩られています。
そして、忘れてはいけないことがひとつ。
全ての人類は哺乳類霊長目に属する動物、つまり猿です。
様々なトーテムに己の身をやつすのは、それが人間の生きる社会で必要な「役割」であるからですが、そもそもこの広大な地球上での人間の役割は猿そのものですから、我々の本当のトーテムは全員、猿のはずなのです。
昨今、文明が成熟して人間の発展がこれ以上ないところまで来たという風に考える人が多くいますが、人間の歴史は長い長い地球の歴史のなかではごくごく一瞬に過ぎません。人間は過ちを犯しますし、迷い悩む生き物です。
しかし、八卦はそんな猿に「反省」と「修行」の機会を与えてくれます。誰だって間違いますし、迷うものですから、どんなトーテムを得た者であっても、いつでも猿に戻ることが出来るのです。
物語はどんなところからでもやり直せますし、始めることが出来ると言うことを、伝説の英雄たちは教えてくれているというわけですね。

猿トーテムイメージキャラクター:山王明