
小過は、通じる。正しきに利あり。小事に可なるも、大事に可ならず。飛鳥これが音を遺す。上るによろしからず、下るによろしい。大いに吉。
一言で言うと
龍にとって牛は「自分を征伐する最強のドラゴンスレイヤー」です。
全般
まず、気を悪くしないでほしいのですが、ありとあらゆる世界の伝説において「龍殺しは牛の仕事」です。
龍を倒す者は敬虔な僧侶や戦闘の専門家、または文字通り頭に角の生えた勇者です。
これは龍の守っている世界の中から一心に飛び出したものが古い君主を討つような英雄譚で、別の言い方をすれば「親の庇護を破って真の自立を果たす子供」という構図です。
というのも、実は牛の大半はかつて鳥であり、龍とは密接な関係にあったことがある存在なのです。したがって、そこから自分の意志で進んで自立を果たし、世界の義に従って行動するようになった牛を、あなたの世界で庇護しようというのはまさしく無用の行動であり、逆にその不義によって牛からの致命的な一撃を喰らう可能性があるということです。
とにかく、用心しましょう。
交友
龍と牛の交流は非常に難しく、龍にとっては用心しなければいけないことだらけです。
もし牛があなたよりも年少で、あなたと関係の深い相手であればなおさらそうです。子供扱いしたり、自分の想いを優先しようとすると、まず上手く行くことはありません。
牛といえば、この世界で最も重要な開拓を行う先駆者、挑戦者です。しっかりと敬意を持って、離れたところから応援するか、思いきって謙虚になって弟子入りするくらいの気持ちでいましょう。
不用意に包み込もうとすれば、その強靭な角の餌食になってしまいます。
恋愛
龍と牛には恋愛譚がほとんどなく、先述の通りほとんどが「牛が龍を倒す話」ばかりです。
そうは言っても、たとえば「自分の世界に飽き飽きしていた龍を倒しに来た牛」なんていうのはもしかしたらロマンスの幕開けかもしれませんね。
とはいえそういう場合でも、あなたが龍のままで居ようとするとなにも上手く行きません。「やられる」というのは文字通り「やられる」ということなのです。牛は本気でやりにきますし、「やられたー」くらいではまず済みませんから、少しでも侮る気持ちがあるならとにかく近づかないことです。
龍の鱗を破れるのは牛の角だけです。
仕事
龍の持つ豊かな責任領域や権益は、牛の革新的な仕事によって一瞬にして奪われてしまうことがあります。龍を始め、鳥、兎、犬の下爻を陽とするトーテムたちはこの所業を「非人間的で冷たい」「人倫を乱す」と非難するかもしれませんが、牛の齎す変化は世界にとって必要なものですから、文句を言っても仕方ありません。
遠くから支援をすることには何の問題もないはずなので、しっかり距離を取って、尊重するようにしましょう。牛の仕事を邪魔する権利は誰にもないのです。
闘争
繰り返しますが、龍は牛との争いにおいてまず勝ち目がありません。
困ったことに、牛を前にした龍は「いける」と思ってしまうのか、侮って弱点をさらしたまま迎えようとすることが多く、それが致命傷を招くことになります。用心に越したことはないのですが、うーん、用心をしていてもやっぱり勝ち目はありません。何せ、相手はドラゴンスレイヤーです。
戦いを避けるには、しっかりと距離を取るか、自分自身の変化を受け容れてしっかりと向き合うかしかありません。間違っても、流れのまま包み込もうとするのはやめましょう。
アンタ死ぬわよ。
叡智
龍が牛に対して大事なことは「男子三日会わざれば刮目して見よ」です。
龍は非常に恒常的な世界で変わらない生き方を続けていく生き物ですが、牛はそうではありません。前へ前へと進んでいく牛は、あなたにとってゆっくりとして同じところにいるように見えるかもしれませんが、気付けば偉大な境地に至り、環境すら激変させてしまう力を持っているのです。
そうした牛に敬意を払い、あなたがそれに対して何らか協力をしたいと思うならば、あなた自身にももっと素敵な変化が訪れるかもしれません。
というのも、卦辞にある通り「上るによろしからず、下るによろしい」ということで、つまりこれは「やられることも悪いことではない」ということなのです。「大いに吉」ともありますから、あなたの世界を飛び出し、新たな冒険に出る時がすぐそこに迫っているのかもしれませんよ。