狐トーテムについて #八卦診断

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狐トーテムは古くから世界各地に様々な形で伝えられており、常に民衆のスターとして描かれてきました。

特に有名な狐といえば、東アジアの「九尾の狐」やフランスの「狐物語」です。いずれも悪賢く、状況を撹乱するヒール、またはトリックスターとして知られています。

他にも狐の伝承は非常に多く、たいていの場合「人間にこんなひどいことをして化かした」「呪われた」「退治された」云々、というかなりひどい語られ方をします。

ただ、ご安心ください。狐の伝説のなかでも原初的なもの、特に根強く人気のものでは、狐はいかにもきつねらしい、愛らしく健気な姿を見せてくれます。

たとえば、全国各地に伝わる有名な「狐の嫁入り伝説」はその中でも特に人情味あふれる大人気の題材です。

昔、あるところに悪右衛門という男がいた。この男は悪行ばかり重ねてきたが、あるとき坊主の説法を聞き、捕っていた狐を逃がしてやった。その夜に女が訪ねてきて、一緒に暮らすようになった。男と女の間には子供も授かったが、女は昼寝の最中に尻尾を出してしまった。女は助けてもらった狐であったのだ。狐は止める亭主に嘘を詫び、もう一緒にはいられないと涙ながらに出ていき、一首の歌を残していく。

この一首がどんな内容かは地域によって異なり、たとえば安倍晴明の出生譚として有名な「葛の葉伝説」ではこんな内容になっています。

恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉

この「うらみ」というのは「心残りがある」というのと「裏を見てごらん」という二つの意味があります。人ならざる道に生きる狐がひとときの恋に落ちた、悲しくも心温まる物語ですね。

ところで、この物語が何かに似ているような気がしませんでしたか?

詳しく言うと問題になるのであまり踏み込みませんが、狐の物語は後になって別のトーテムに上書きされてしまうケースがあります。たとえば「こぶとりじいさん」も狐トーテムの物語ですが、後からやってきて勝手に真似をしたいじわるじいさんを無理矢理善玉にしようとしたバージョンが存在します。

こうした倫理観の欠けた文脈のハッキングを「仮冒」と呼びますが、狐は非常に仮冒されやすく、されてもあまり気にしている様子がないので、いつのまにか意地悪でずる賢いイメージがついてしまったということのようです。

正直なところ、狐の嫁入りについても、実在する狐トーテムの人物と比較すると「そんなメソメソした感じになるか……?」と疑いたくなってきます。実際には、男と一晩や二晩のロマンスを経験した後はさっと里を去って、鏡にルージュの伝言よろしく葛の葉に短歌を残していったのがオリジナルバージョンなのではないかという気がします。

ではなぜ狐の物語が仮冒されやすいのか、というと、狐の物語のほとんどが口頭伝承によるものだからです。

フランスの悪狐民話「狐物語」に登場するルナールという狐も、元はフランスの民衆が語る物語を採集したもので、口伝で生き残ってきた物語でした。現在に伝わるルナールの物語は文に起こすにあたり採集・編集を加えられているわけですが、これを採集した者にとって都合の悪い部分や分かりづらい部分があれば、都合よく編集したり作り変えたりしてしまうというわけです。

狐自身は歴史に名を残してやるぜ! という野心よりも「正しいことを正しくやろう」という至って真面目なモチベーションの方がよっぽど強いので、こうした仮冒は往々にして放置されてしまいます。

ただ、不思議なことに口頭伝承というものは断絶しても復活してくるもので、なぜか時がたつと元の形に戻っていきます。そもそもトーテムをベースとした物語に誰かの個人的な考えや都合を入れようとしても、物語そのものが持つ大きな仕組みの力には勝てずに元に戻ってしまいます。

狐の存在もまた同じく、天が命じるままに駆け回る使命は誰にも邪魔することができないもので、今を生きる狐にとって直近の自分たちの仮冒はそこまで気にならないはず……いや、そんなこともないか……?

頑張っている狐たちは蛇や牛や猿の物語の脇役として登場しているケースの方がよく残っていますから、広く物語を読んでいく中で「これは狐だ!」というのを探した方が面白いかもしれません。

近年の狐トーテムの作品としては、101匹ワンちゃんの悪役の若い頃を描いた「クルエラ」という映画が優れています。過酷な出自、身一つでの奔走、突飛な作戦、曲がらない信念、死を賭したジャンプ、血筋の呪いへの闘争、そして「悪役としての名乗り」と、狐の物語に必要な要素が一通りそろっていますから、とってもおすすめです。

この世界がまだ何とか回っているのは狐のおかげですから、みんな狐に感謝しましょうね!






狐トーテムイメージキャラクター:中村一樹

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